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2022.12.05

2022AW カタログ後記(前編)

今回のロケ本編となる2022AWカタログは、全国のお取扱各店にてご覧いただけますので
お近くのお店へぜひお越し下さい!

本日は毎シーズン恒例となったカタログ舞台裏レポートの前編をお届けします。

2022AWのコレクションテーマは「superior」。
超えていく、凌駕する、などの意味合いに相応しいロケーションを求め、
我々は高速ジェット船に揺られ伊豆大島へと向かいました。
 
地図でもおわかりいただけるように、
御神火(ごしんか)様として崇められる三原山を中心に人々の生活圏が築かれた大島には
南北を貫く道がひとつとしてありません。

つまり、移動には島をほぼ一周する都道を利用しなくてはならず、
我々もこのあと、この小さな島を何周もすることとなります。

そんなハードワークと引き換えに得たのが、
この世のそれとは思えない異星のようなロケーション。
 
百数十年に一度のペースで大きな噴火を繰り返し、
草花や木々を焼き尽くした火山岩による荒涼としたこの風景を
今季のメインビジュアルに選んだワケです。
 
玄関口にあたる岡田港に着いたのは10時半頃。
あいにくの空模様ですが秋冬らしい“寒い画”を撮るには上々のコンディションです。

早速宿で準備を済ませ、ロケ地を目指しマイクロバスに乗り込みます。

今回の主役となるレミさんとピヨテさん。
フランス語も流暢なレミさんがリードしてくれ、
終始スムーズに進めることができました。本当にありがとうございます!

バスに揺られること数十分、主戦場のひとつとなる裏砂漠に到着しました。
 
三原山の東側一帯には、
火山活動で吹き上げられた真っ黒な火山岩が幾重にも積み重なり、
日本全土で唯一「砂漠」と表記される裏砂漠が広がっています。
 

 
こちらでは表紙や28ページのソロショット、
そして6ページのツーショットなどを順調に撮っていたのですが、
頂上から降りてくる真っ白な霧とともに急激に雲行きが怪しくなり…。
 
ロケ開始2時間も経たないうちに傘を差さなければならないほど大粒の雨と、
山から吹き下ろす台風のような強い風…。

とはいえ時間は限られています。
タイムリミットは明日の15:30。

とりあえず先を急ごうと裏砂漠を後にし、都道を南下。
「月と砂漠ライン」と呼ばれるハイキングコースを目指します。
 
幻想的に霞みがかった木々のトンネルを抜けると、
先程の裏砂漠へとたどり着く観光コースのひとつにして
三原山登山の起点する旅人も少なくないとか。
 
この登山道で撮った2ショットが8ページとなっています。

この時点で雨はほぼ土砂降り…。
班内でも意見が二分したものの、
いれずにせよ、もうワンカットだけは撮っておこうと、
島の北西に位置するサンセットパームラインへと向かいました。

その名の通り天気が良ければ美しいサンセットを満喫できる格好のロケーション、
らしいのですが、残酷にも雨足は強まる一方…。
 
ここではレミさんがベテランならではのプロ根性を見せてくれました。
カタログ26ページをご参照ください。

時刻はまだ日の入り前。
時間的な余裕はたっぷりあるものの遂には大雨注意報が…。

というワケで、全てを明日の天候と運に委ね、
初日は早々に宿への撤退を余儀なくされました…。(つづく)