Pherrow's

Pherrow’s 2019 Spring & Summer

FRONTIER SERIES

ゴールドラッシュ時代の初頭、作業着の多くは10ozほどの帆布が多く作業着として用いられたが、1870年頃から堅牢な9ozのインディゴで染めあげたデニム生地へと変遷していった。
生地の右上から左下に、もしくは左上から右下に流れている線を綾目という。タテ糸がヨコ糸の上を3本、ヨコ糸の下を1本、交差させて織る場合を「四つ綾(3/1綾・カツラギ綾)」といい、一般的にジーンズはこの3/1綾目のデニムが主流であり、10番手以下の太番手が使われ、14oz(オンス)前後の厚手のデニムが用いられる。
それに対しカバーオールやオーバーオールのワークウエアのデニムの多くは、タテ糸がヨコ糸の上を2本、ヨコ糸の下を1本、交差させて織る場合を「三つ綾(2/1綾)」という組織のものが多く使用されている。またワークウエア の2/1綾目のデニムは10oz程度のライトオンスのデニムを使用することが多い。
そこでこのフロンティアシリーズのデニムには、通常のジーンズのデニムと同様、タテ糸に7番糸とヨコ糸に6番糸を用い、打ち込み本数を増やしながら13.25オンスという高い2/1綾デニムを開発。
結果、厚みや着心地、色落ちに至るまで他では類を見ないデニムを作り上げ、よりワークウエアらしい表情を生み出している。

100WJ


現在のカバーオールの原型となったと言われるサックコートの影響を受けたワークジャケットとして製作。 1800年代初頭の代表的な紳士のジャケットは着丈が長くウエストを絞っていたものが多く、それらは主に上流階級が着用していたドレスジャケットに過ぎなかった。そのジャケットが労動者などの下流階層に広がるに従い、1850年頃から動きやすい寸胴スタイルに移り変わった。 この袋のような形を形容して米国では「サック(袋)コート」と呼ばれていた。

元々はそういったテイラードの流れを汲むそのジャケットをナチュラルショルダー・後身側に流れていく肩線なども取り入れつつ、リベット使いやチェンジ釦などのワークウエアのディテールも用いオリジナルのデザインとなっている。
時代設定ではフェローズの定番商品である555CAの前身モデルになっており、ヘリテイジ性も含まれている。
主要縫製部分は100WB(ワークブラウス)と同様に単針ミシンでの織り伏せ縫いを採用している。

100WJ Price:31,000yen+tax
100WJ-VW (wash model) Price:40,000yen+tax
100WJ-D (brown duck model) Price:29,000yen+tax

100WB


古くヨーロッパから渡ってきた男性用の作業着や軍服の上衣を「ブラウス」と呼称していたが、デニムジャケットの起源としてその「ブラウス」の存在がある。
ブラウス(blouse)とは、フランス語の「ブルゾン(blouson)」が語源であるように、少なからずデニムの語源と同じようにヨーロッパからの影響を受けている。

その作業着としての「ブラウス」をデニムジャケットが確立される以前のジャケットと位置付け、当時フロントにプリーツを施したトリプルプリーツ・ブラウスと呼ばれていた実在するジャケットをベースとして製作。フロントの3つのプリーツが特徴的で、このプリーツは糸を切ればサイズを大きく出来るように設計されたものだとされている。
このブラウスの特徴としては、大量生産向きのチェーンステッチ(環縫い)ミシンを使用せず、当時のワークウェア黎明期の仕立ての名残として本縫いの単針ミシンでの織り伏せ縫いを基本とし、かなりの手間のかかる仕様で縫い上げられている。
その他近年のデニムジャケットとの違いとして、糸付け釦、台襟と羽襟一体型の襟などがあり、多くのパーツの生地の地の目を横方向に当て込み裁断しているのも、現在では見られないディテールである。また、フェローズのアイコンであるバッファローホーンステッチをフロントポケットに配し、リベットで補強したうえで破れを防止するためのスレーキも内側に縫い込まれている。
背中は生地取りの効率を高めるためのTバック仕様。プリーツを4本入れることで十分な運動量を得たうえに、ジャケットのバタつきやサイズ調整を行えるようシンチバックルを取り付けている。

100WB Price:30,000yen+tax
100WB-VW (wash model) Price:39,000yen+tax
100WB-D (brown duck model) Price:28,000yen+tax

100WO


ジーンズがまだウエストオーバーオールズと呼ばれていた頃のモデルをフェローズなりの解釈で製作。
初期のウエストオーバーオールと呼ばれるものにはベルトループは無く、サスペンダーで吊るパンツが主流だった。そのためサスペンダーをつける釦が腰帯の表面に付いていた。その後サスペンダーボタンは姿を消していき、ベルトループに姿を変えていく。

その過渡期にはサスペンダー釦とベルトループの両方が付くパンツも存在するが、このフロンティアウエストオーバーオールはサスペンダー釦があくまでもオプションとして付き、自身で外せる仕様で製作している為、サスペンダー釦は腰帯裏の隠し釦仕様になっている。さらにベルトループが無い時代に多く見られる仕様としてシンチバックルの存在があるが、それはウエストのサイズを調整する意味で不可欠な意匠の一つであった。
このパンツの特質すべき点はそのシンチバックルの形状である。後ろの腰のヨーク部分と一体化したシンチバックルは腰部分全体を覆い無理なくウエストを絞ることができる。これは様々な古い資料を検証し、フェローズが導き出した当時にあったであろうという想定のもと創り出したオリジナルのガジェットである。
リベットは元々馬具の補強として使われていたものだったが、1870年代ごろからパンツの補強として使われ始めた。古くはこのリベットをハンマーで叩き取り付けていたので頭が潰れている。このモデルもそれに倣ってリベットの駒を改良し、2度打ちをして頭を潰している。
コインポケットは腰帯の真下に配すことにより、ベルトをした際にポケット口をベルトで覆い隠し貴重品を落とさない様になっている。
フロントのベルトループはポケットのリベット代わりの補強の役割も兼ね、左右のベルトループは腰ヨークのステッチの上に乗っかっていることでベルトループが簡単には外れないようになっている。
バックポケットはフェローズのアイコンであるバッファローステッチが入り、裏から当て布で補強。ポケットの生地を横使いにして、ポケット口は耳を利用した2つ折り。さらに両サイドはリベットで補強している。
バックポケットのステッチはフェローズのアイコンとしてホーンステッチになっているがシングルステッチ仕様となっている。現在フェローズのデニムラインナップではダブルステッチのホーンステッチになっているが、古くはシングルだったという想定にしている。
このようにフェローズのプロダクトは品番ごとに時代の変遷を辿ることができ、物としてのヒストリーを盛り込んでいる。

100WO Price:23,000yen+tax
100WO-VW (wash model) Price:32,000yen+tax
100WO-D (brown duck model) Price:21,000yen+tax

100WS


ヴィンテージの左右非対称の胸ポケットのワークシャツをベースに製作。
当時のワークシャツのディテールで見られたフロントポケットのL字カンヌキや、羽襟は隠しボタンダウン仕様。細めの台襟に長めのチンストラップがさらにヴィンテージ感を演出している。ボタンには猫目型の天然貝釦を使用している。
生地には精錬されていないナチュラル感漂う生成りのセルビッチ生地と、5.5オンスのセルビッチインディゴシャンブレーを使用。インディゴシャンブレーにはバイオフェード加工を施し、ステッチ周囲のパッカリングが自然な色落ちを生み出し、良い風合いを生み出している。
主要な縫製にはは細巻きの環縫いを用いて運針を細かめにし、ヴィンテージのディテールを踏襲。また、袖の作りを2枚剥ぎ仕様にすることで立体感を出し、ワークウェアとしての運動性を確保している。

100WS Price:18,000 yen+tax
Color: White chambray, Indigo chambray

100WC


デザインベースとしては40~50年代のスウェーデン軍の鹿の子のプルオーバーシャツがモチーフ。

フロンティアシリーズの時代設定で、労働者達が着用していたアンダーウェアを想定し製作。身頃と袖の生地はカットソーで、ヴィンテージのスウェーデン軍の鹿の子をそのまま再現したものを使用。ヘンリーネックのプルオーバー仕様だが、ネック部分とカフス部分には布帛生地を用いてシャツのようなディテールを盛り込んでいる。
デザイン的な特徴として、ゆったりめのシルエットに落ち気味の肩、そして短めの袖丈が挙げられる。

100WC-IND(indigo) Price:16,oooyen+tax
100WC Price:13,000yen+tax Color: Natural, S.black

FRONTIER HOOK BELT


このベルトの最大の特徴はそのバックルである。
このバックルは元々、PELICAN RERASE HOOK、通称ペリカンフックと呼ばれ、船舶用のロープの先に付けて荷重の掛かる箇所や物に引っ掛ける為に作られたヘビーデューティなプロダクトである。
現在も数社が製造しているが、中でもコネチカットで1814年創業のWilcox-Crittenden社が1940~50年頃に作ったものが最初のペリカンフックであろう。
そのフックをベルトのバックルとして用いたヴィンテージピースがフェローズ秘蔵のヴィンテージアーカイブに存在する。その強固な作りから当時の人がベルトのバックルとして作ったローカルメイドの逸品だと推測される。
このバックルから原型を作り、型を起こしてオリジナルのバックルを完成させ、ベルトには5mmの肉厚なカウレザーを用いてブラックとブラウン、ヌメ革の3色で展開。バックル本体の色は革の色に合わせソリッドブラスとニッケルメッキを採用している。ベルト裏にはFRONTIERのロゴを焼印。
無骨で堅牢な見た目は開拓時代のワーカーたちが当時リアルに付けていたであろうという雰囲気を醸し出し、フロンティアシリーズのベルトとして採用している。

FRONTIER HOOK BELT-B(brass buckle) Price:19,800yen+tax
FRONTIER HOOK BELT(nickel buckle) Price:19,800yen+tax